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FINDING MOMO |
ファインディングもも 東山偽一
第六話
「ミドリガメだぁー!」サムは叫びました。
サムとラッキィが乗っていた岩は大きな亀の甲羅だったのです。
サムの声を聞いて亀は水中から顔を出し、サムに振り向いてニッコリ笑いました。
そしてすぐに向き直り、ぐんぐんスピードを上げて進みました。
この亀は小さい頃、何かの景品として配られ、要らなくなった人にゴミとして捨てられていたのをサムに拾われ飼われていました。
大きくなったので、川に放されたのでした。
サムはここまで大きくなるとは思ってもいませんでした。
嬉しく思うと同時に、餌代のことを考えると早く逃がして良かったと内心ほっとしました。
やがて前方に海が見えてきました。
ミドリガメは淡水の生き物です。海の中までは行けません。
サムとラッキィは亀から降りて海岸まで歩きました。
ちょうど夕日が水平線に沈むところでした。
サムの目には、美しい夕日にマリンの顔が重なって映りました。
サムの口から懐かしい歌のフレーズが自然と出てきました。
第七話
湯亞舞産社員♪
枚恩理三者印♪
湯命苦身発非♪
鵜円酢階図亜具霊♪
油留値場脳出阿♪
葉卯町愛羅部遊♪
布里頭丼戸低区毎算斜院阿上意♪
幼い頃、サムは気持ちを伝えようと、マリンの前でこの歌を歌い大失敗したのでした。
サムはとてつもなく音痴です。サムが歌うとどんな歌もお経に聞こえます。
その時は気持ちを伝えるどころかマリンに笑われただけでした。
そんな事を思い出しながら、サムは夕日に向って歌い続けています。
そして夕日が水平線に沈み消える時、やっとサムはまともに歌えるようになっていました。
You are my sunshine♪
my only sunshine♪
You make me happy♪
when skies are gray♪
You'll never know dear♪
how much I love you♪
Please don't take my sunshine away♪
太陽の光はサムに届かなくなりました。夜の闇が広がりました。
しかし、サムの心の中のマリンはいつも輝き続け、サムの心の闇を照らしていました。
第一部 完
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