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FINDING MOMO |
ファインディングもも 東山偽一
第四話
スワンは順調に川を下っていきます。
サムは一人でのスワンの操縦に慣れてきました。
ラッキィは座席でのんきに寝ています。
突然、川の流れが速くなってきました。
どんどんスピードを増して流されて行きます。
目の前には最初の難関である試練の滝が待ち受けていたのです。
もはや流れに逆らって脱出する事は出来ません。
スワンごと滝の上から真っ逆さまに落ちていきました。
サムもラッキィもパニック状態です。
「助けてくれ〜!」「怖いワ〜ン!」
とうとうスワンに文句を言い出しました。
「スワン、飛べぇ!白鳥のくせによう飛ばんのんか?高いレンタル料払っとんのに使えんやっちゃなぁ!早よ飛べぇ〜!」
パニクッている時のサムは何故か大阪弁です。
「ワン、ワン、役立たずのスワ〜ン!」
ラッキィも自分の事は棚に上げて吠えています。
しかし、いくら叫ぼうがスワンは飛べません。落下し続けます。
最後に水面にぶつかる手前でスワンがひとこと言いました。
「ス・マ・ン!」
第五話
サムとラッキィを乗せたままスワンは水面にぶつかり、バラバラに壊れてしまいました。
サムとラッキィは泳いで川岸へと辿り着きました。
サムは落ちてきた滝を見上げて、あんなに高い滝から落ちて無事でいられたのはスワンが落下の衝撃を和らげてくれたからだと思いました。
無言でスワンの残骸を集めだしました。
そして穴を掘って埋め、首から折れたスワンの頭の部分を地面に突き刺し墓石の代わりにしました。
スワンの冥福を祈りました。
ラッキィの遠吠えが悲しくあたりに響きました。
サムとラッキィは大きな岩の上に腰掛け、川を眺めながら、どうやって川を下ろうかと考え込んでいました。
すると、座っていた岩が急に動き出しました。
そのまま川に入り、猛スピードで川を下って行きます。
サムとラッキィは訳の解らないまま、落ちないように必死で岩にしがみつきました。
川の水に洗われ黒かった岩の色が変わっていきます。
きれいな緑色の模様が見えてきました。
この模様は?サムは考え込んでいます。
見覚えのある模様でした。
そうだ、これは、・・・前頁|次頁
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