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FINDING MOMO

ファインディングもも         東山偽一

第一話

昔あるところにサムとマリンがおりました。
サムはパチンコ屋へ暇つぶしに、マリンはキャバクラへ働きに行きました。
その頃、近くの川では大きな桃がどんぐりころころどんぐりこと流れていました。
サムもマリンも、桃にはまったく気付きませんでした。
そして、とうとう桃は海まで流れて行き、海の中に消えてしまいました。

第二話

働き者のマリンは毎日休まず働き続けていました。
そして過労からか原因不明の病で倒れてしまいました。
サムは世界中の医者を連れてきてマリンの病を診てもらいましたがますます悪くなるばかりです。
しかたがないので長老じいやんに教えを受けに行きました。
じいやんは、「何日か前に大きな桃が川を流れて海に消えたはずじゃ。その桃を食べればどんな病も治るはずじゃ。桃太郎もおまけについとる。」と言いました。
サムはその桃を探す冒険の旅に出る決意をするのであった。

第三話

サムは川を下るために、ほのぼの湖にあるスワンを借りてきました。
このスワンは以前マリンとのデートで一緒に乗った思い出のスワンです。
レンタル料は割高ですがサムにとっては、どうでもいいことです。
一刻もはやく出発しなければなりません。
スワンに乗って漕ぎ出そうとした時、一匹の犬が隣の座席に飛び乗ってきました。
「ぼくも一緒に行くワン。きっと役に立ってみせるワン。」
サムの飼っている名犬ラッキィです。
サムは危険な旅にラッキィを巻き込むことは出来ないので、スワンから降ろそうとするのですが、ラッキィは座席から動こうとしません。
「マリンを助けるワン。必ず役に立つワン。」
この言葉を聞いてサムは、ラッキィもマリンが好きなんだ、助けたいんだと思い、一緒に行く事にしました。
さあ、出発だと力強くスワンを漕ぎ出しました。
しかし、スワンはなかなか進みません。
以前乗った時と様子が違います。
サムが、ふと隣を見ると、座席の上にラッキィがじっとして座っています。
そうです、犬の足ではスワンのペダルは漕げないのです。
サムは、心の中でつぶやきました。
「ラッキィ、お前はぜんぜん役に立ってないじゃないか。」

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